ダイエットをしようとして、よく耳にする基礎代謝。「基礎代謝を上げればカロリーをたくさん消費して、痩せやすくなる」ということはもうご存知だと思います。しかし、どれくらい基礎代謝を上げれば、どのくらいカロリーを消費できるのか分かりますか?また、筋肉をつければ基礎代謝が上がると思っていませんか?
この記事の目次
基礎代謝とは
基礎代謝とは、私たちが横になって安静にしている状態で、生きていくために必要な「呼吸や体温調節、脳の働き、内蔵の活動」などに使われるエネルギー代謝量を「基礎代謝」といいます。
普段の生活による身体活動によって、エネルギーが消費されていると思われがちですが、実は違います。
1日の消費エネルギーの約55~75%(活動係数によって異なります)は基礎代謝によるもので、日々の活動よりも基礎代謝の方がカロリー消費が大きいのです。
また、基礎代謝というのは、基本的に年齢と体重によって計算されます。
(個人差が大きく、基礎体温や身長や筋肉量なども関係しています)
基礎代謝と必要カロリーの違い
基礎代謝と1日の必要カロリーは違うので、気をつけてください。基礎代謝を計算して、「え、これだけしかカロリー摂取してはいけないの?」となると危険です。
実際に1日に必要なエネルギーは「基礎代謝×活動係数」で計算できます。
たとえば、基礎代謝が1200kcalで活動係数が1.5の場合、
「1日の必要な摂取カロリー」=1200 kcal×1.5=「1800kcal」となります。
一般的な生活をしていれば、活動係数は1.3~1.5になります。
基礎代謝が上がればこれだけ痩せられる
では基礎代謝が上がれば、どれだけ消費カロリーが増えるのでしょうか。
仮に、基礎代謝を1200kcalとします。この基礎代謝が100kccal上がって、1300kcalに上がったとしましょう。
すると、1日の摂取カロリーは1300×1.5=1950kcalとなります。
基礎代謝が1200kcalのときと比べると、150kcal消費が多いことになります。
150kcalとはウォーキング約1時間の消費カロリーと同等です。なにもしなくてこれだけ消費していたら嬉しいですよね。
1日150kcalの消費が増えると、1ヶ月で4500kcal、半年で27000kcal、1年で54000kcal消費されることになります。54000kcalとは体重7.5kg分になります。
つまり、1年間で普通に生活をしていても7.5kg勝手に体重が減る計算になります。
基礎代謝を上げるのに筋トレは有効?
基礎代謝を上げるために、筋肉をつけることが良いとされていますが、それは事実なのでしょうか?
基礎代謝とは、安静時に呼吸や脳や内臓のはたらき、体温調節などに使うエネルギーのことです。
この基礎代謝のうち、鍛えられる筋肉が消費するエネルギーの割合は2割程度しかないのです。
ということは、基礎代謝が1200kcalの場合筋肉が消費しているのは240kcalだけなのです。
これを筋肉量を増やして100kcal基礎代謝を上げようとすることは不可能です。
たとえば筋肉量が5%も増えたとしても基礎代謝は12kcalしか増えません。
結論として、筋肉量が増えて基礎代謝が大きくあがるということは考えにくいです。
筋肉をつけて痩せられるというのは、基礎代謝が上がったというよりは、活動によるカロリー消費が大きくなるからです。運動や活動をしたときに加速的に痩せられるようになるということです。
基礎代謝を上げる方法
では、どうすれば基礎代謝をあげることができるのでしょうか。
基礎代謝はほとんど無意識に起こるエネルギー消費です。無意識に消費エネルギーを上げることはできるのでしょうか?
無意識でも「内臓の働きや、体温を上げることができれば」かなり基礎代謝は上がります。
では、その方法について考えていきましょう。
内臓の働きを活発にさせる
内臓は基礎代謝の多くのエネルギー消費を担っています。その中でも特に多いのは肝臓です。
ということは肝臓を元気よく働かせてあげるのが大切なので、お酒の飲みすぎには注意したいですね。
また、内臓の働きを活発にするには「デトックス」が非常に効果的です。普段から使いっぱなしで疲れている内臓をいったん休ませて、体に溜まった「毒素」を排出することが大切です。
その方法として、「ファスティング」という断食方法があります。
断食をすることによって胃腸を休ませることができ、そこへ使っていた血液が全身に回ることで、全身のデトックス効果がえられ、肌も含む内蔵全体が活発になります。
その結果、基礎代謝が上がって、消費カロリーが大きくなるということです。
筋肉のエネルギー消費量に比べて、内臓は2倍以上あるので、こちらにアプローチしてあげるとより効果的です。
ファスティング(断食)には基礎代謝を上げるだけでなく、健康・美容効果がたくさんあります。
体温をあげる
体温が1℃上がると基礎代謝は13~15%変動すると考えられています。基礎代謝が1200kcalだとすると、156kcal~180kcal変動するということです。
1℃でなくても、0.6℃上がれば基礎代謝が100kcal増加する計算になります。
この体温を上げる方法ですが、「筋肉をつける方法」と「血流を良くする方法」があります。
しかし、筋肉をつける方法は上記でも説明しましたが、大変な努力が必要になります。
では血流を良くする方法はどうでしょうか?
これには、「ストレッチや半身浴などの外からの刺激」と「食事による内からの血行促進」が効果的です。
ではこの2つを比較してみましょう。
ストレッチや半身浴、軽い運動
筋肉を刺激したりツボを刺激することによって、血流が良くなり体温が上がります。
半身浴は一時的には体温があがりますが、時間が経てば体温は下がってしまいますのであまりおすすめはできないです。
ストレッチや運動は毎日行うことで全身の血流が良くなり、体温を上げることができます。運動はカロリーも消費できるので、痩せたい人には一石二鳥ですね。
しかし、継続しないと体温が上がった状態をキープできないというのが、難点かもしれませんね。
生姜や唐辛子などの温まる成分
一方、こちらの食事による体温をあげる効果はどうでしょうか?
生姜や唐辛子などを食べると体が温まりますよね。むしろ汗がダラダラ流れてくる場合もあると思います。
生姜に含まれるジンゲロンやショウガオール、唐辛子に含まれるカプサイシンにはエネルギー代謝を促進させるため、体温が上昇します。
この効果が続けば、体温が上がった状態を保ち、基礎代謝を大きく上げることができます。
毎食このような成分をとるのが難しい場合は生姜エキスなどが入ったサプリメントに頼るのも良いでしょう。
普段どおりの生活で、サプリメントを飲むだけで1年後には7.5kg分のエネルギーが消費されているのなら、悪くないですよね。
ただしサプリメントの注意点は「油断」することです。サプリメントを飲んで体が温まった基礎代謝が上がっても、それ以上食べていては痩せるはずがありません。
体重が増加傾向の場合は、体重キープが良い所でしょう。
体重は増えていないけど、なかなか減らないという場合は効果的だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
基礎代謝を上げるといっても、そんなに簡単にあげることはできません。というのも、無意識のうちに使われているエネルギーだからです。
しかし、基礎代謝を上げられればかなりのカロリーを消費してくれます。
そのためにも、普段からストレッチやウォーキングなどの運動や、体温を上げてくれる成分を取り入れることを心がけるようにしていきましょう。